こんにちは、もうすぐ12月…師走ですね。ここから一気に年末モードになりそうですがいかがお過ごしでしょうか。
今回は、「アフガニスタン教育支援」についてのお話です。
調度品の亀川では、2011年度からギャッベの売上金の一部でアフガニスタンに住む子どもたちへの教育支援を行っています。絵本・紙芝居の寄贈、学校建設、こども移動図書館の運営をサポート、昨今はコロナウイルスにより ますます生活水準が悪化した貧困層への人道支援などを行っています。
▲満面の笑顔で絵本をもつこどもたち
ペルシャ絨毯・ギャッベは隣国イランでつくられていますが、ゾランヴァリ社ではアフガニスタンからの難民の方がギャッベの最終工程などを担ってくれています。そこで、わたしたちは人道的・経済的状況が厳しいアフガニスタンに住む人たちを支援しています。
▲ゾランヴァリ社で働くアフガニスタン人スタッフ
先日、シャンティ国際ボランティア会(SVA)の担当者の方の訪問を受け、現状のアフガニスタン国内の状況と、活動状況をくわしく伺うことができました。
2021年8月15日に首都カブールがタリバン政権に包囲されて、ガニ大統領が国外退避したことは日本でも大きく取り上げられましたね。社会経済活動が止まり、4年ぶりの干ばつなども相まって、人口の半分にあたる2280万人が食糧危機、そのなかでも320万人の子どもたちが重度な栄養不良にあるとのこと。
▲人道支援対象の寡婦世帯
聞いて驚いたのは、生きるためとはいえ 幼子を400ドル弱(約5万円)で売るケースも各地で発生するほどアフガニスタン国内の生活は厳しい状況にあるようです。すべての子どもたちが元気に愛と教育を受けられる安全な世界がいつやってくるのか…目をつむりたくなる報告ばかりですが、わたしたちも知る義務があるように思えます。
貧しくて学校に通えず、働かなければいけない。
アフガニスタン国内では児童労働も問題となっていますが、そのような学校に通えない子たちでも自由に出入りができる 【こども移動図書館】では、自由に読書ができるスペースと文字を教えてくれる先生が常駐しています。また、読書だけではなく、裁縫・工作・演劇など まるで学校のようなアクティビティも行われているんですよ(^^)
▲自由に絵本をよむ子どもたち
▲裁縫教室の様子
「私は6人家族の12歳です。おとうさんは、ある日病気の影響から記憶喪失になって失踪してしまい、おかあさんも病気で働けなったので経済的に厳しい毎日です。
私も昔は学校に通っていたので、本を持っている子や制服姿の子を見るととても悲しくなります。先生に毎日ごはんを食べることが難しいことも相談できず、おかあさんに心配もかけたくなくて 3年生のときに学校をやめてしまいました。それからは3人の弟たちを食べさせるために 毎日市場で卵を売っています。
ある日、【こども図書館】に来ないかという誘いを受けました。綺麗な建物のなかで子どもたちが童謡を歌って遊んでいて風景がとても不思議で、司書の先生が「時間があるときに、いつでも来ていいですよ」と言ってくれたので、仕事以外の時間はここにきて、やさしい先生のそばで勉強をしたり、縫物クラスに通ったりできてとても幸せです。
大きくなったら私も優しい学校の先生か、有名な服の仕立て屋さんになりたいです。こんなに素晴らしい図書館を支援してくれているみなさん、本当にありがとうございます。」
アフガニスタンにおける15歳以上の識字率は約35%と非常に低く、世界最低レベル。
文字が読めないと就職にも制限を受けるため、貧しさのスパイラルからは抜け出すことが難しいのが現実です。
2013年~2015年度に建設した首都カブール市にある小・中学校では、まずはそこで働く教師たちへの指導から始まり、男女生徒ともに平等な教育を受けれるような体制を整えながら、子どもたちが未来に向かって勉強ができる環境ができました。
▲2022年6月完成したビビ・ザイナブ小中高等学校(女学校)
現在タリバン政権に変わり、女子教育についてもニュースで大きく取り上げられていますよね。高等教育以上の女子学生の就学が今はストップしている状態だそうで、小・中学校は政変前と変わらず機能しているとの報告を受けました。すべて男女ともに平等に教育を受けられる社会になってほしいと心から願うばかりです。
▲小学生用読書コーナー
▲絵本をもって嬉しい表情を浮かべる生徒たち
2020年はアフガニスタン国内においても新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、失業・病気などで経済的に困窮している世帯にむけて食料や衛生用品を配布しました。
▲食料・衛生用品配布時の様子
同じコロナ禍でも、日本に住んでいると「今日たべるものがない、生きるためになにか食べなければ」という疑問すら湧きにくいですが、今この瞬間も食べ物がなくて困っているお母さん、お腹がすいて泣いてる子どもたち、そして静かに息絶えていく人たちがいるのも事実だということに胸が苦しくなります。
また、コロナウイルス感染予防のための絵本制作やこども図書館の支援を継続して行っています。前述のように、文字の読めない人も多いため、だれでも理解しやすいイラストをつかった手の洗い方を紹介したチラシなども配布しました。また、コロナウイルスについての正しい情報を届けるための看板なども設置しました。
▲食料と衛生管理のチラシを受けとった少女
▲啓発本をよむ男の子
彼らの安全と世界の平和を祈ること、”教育”こそが未来を変えるための力だと信じて、このアフガニスタン教育支援を続けていきたいと思っております。
そして何より、このような活動が12年間続けて来られたのも ペルシャ絨毯・ギャッベをお買い上げいただきました皆様のおかげです。
大きな希望をもった子どもたちが溢れる世界になりますように、1歩1歩みなさまと歩んでいけたらとても嬉しく思いますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
クメダ
お気に入りの1枚を見つけるのは大変ですよね。
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